2021年、コロナ禍の真っ只中に私は日本からドイツへ移住しました。
空港は驚くほど静かで、機内では3列シートを一人で使えるほど。周囲から「今はやめた方がいい」と言われながらの渡独でしたが、実際に生活を始めてみると、移住前に知っておきたかったことがたくさんありました。
この記事では、私自身の移住経験をもとに、日本を出る前に準備したこと、ドイツ到着後の住所登録、銀行口座、SIM、健康保険、滞在許可などを順番に整理します。
手続きの条件は滞在目的や居住地、個人の状況によって異なります。特に滞在許可や健康保険は制度変更もあるため、申請時には必ず管轄の外国人局やドイツ政府の公式情報も確認してください。
私が2021年にドイツへ移住したときのこと

私がドイツへ移住したのは2021年です。コロナ禍だったこともあり、周りからは「今じゃない」「落ち着いてからにした方がいい」と何度も言われました。
それでも「どうしてもやりたいことがある」という気持ちが強く、ドイツ行きの飛行機に乗りました。出発当日の空港は人が少なく、機内もガラガラ。今でも強く覚えています。
実際の移住では、飛行機に乗って終わりではありません。住む場所を決めた後も、住所登録、保険、銀行、滞在許可など生活を始めるための手続きが続きます。
ドイツ移住前に日本で確認したいこと

必要書類は自分の滞在目的に合わせて確認する
ドイツ移住に必要な書類は、就労、留学、家族滞在など滞在目的によって異なります。
パスポートはもちろん、ケースによっては学歴・職歴を証明する書類、雇用関係の書類、家族関係を証明する書類などが必要になります。卒業証明書や翻訳がすべての人に一律で必要というわけではないため、渡航前に自分が申請する滞在許可の必要書類を確認しておくのが安全です。
支払い手段を複数用意する
ドイツ到着直後は、まだ現地の銀行口座を持っていない場合があります。私は、現地口座が使えるようになるまで困らないよう、日本で使っていたカードなど複数の支払い手段を準備しておくことをおすすめします。
日本の携帯電話をどうするか決めておく
長期移住の場合は、日本の携帯回線を解約するのか、番号を維持するのかを出発前に確認しておくと安心です。銀行などのSMS認証に日本の電話番号を使っている場合もあるので、単純に解約する前に確認してください。
さちこ私は日本の携帯電話の解約を忘れてしまい、移住後も2か月分の料金を払うことになりました。これは完全に私の失敗です。出発前のチェックリストに入れておくのがおすすめです。
ドイツ到着後に私が進めた手続き


1. 住所登録(Anmeldung)
ドイツで住居に入居したら、まず重要になるのが住所登録(Anmeldung)です。原則として入居後2週間以内に管轄の登録窓口で手続きをします。
ここで大切なのは「ドイツ入国から2週間」ではなく、住居への入居から2週間という点です。
一般的にはパスポートのほか、大家さんなどが発行するWohnungsgeberbestätigung(入居確認書)が必要になります。自治体によって予約方法や必要書類が異なることがあるので、居住地の公式サイトを確認してください。



私の場合は会社の人が一緒に住所登録へ行ってくれました。移住したばかりの頃は役所で使うドイツ語にも慣れていなかったので、本当に助かりました。
2. 銀行口座を準備する


ドイツで生活すると給与の受け取り、家賃や保険料などで銀行口座が必要になる場面があります。
私は周囲でN26を使っている人を多く見ましたが、銀行は手数料、現金の入出金、店舗サポート、利用言語などで使い勝手が変わります。特定の銀行を「一番おすすめ」と決めるより、自分の生活スタイルに合うものを選ぶ方がよいと思います。
口座開設の条件や料金は変更されることがあるため、申し込み時点の各銀行の公式情報を確認してください。
3. SIM・通信環境を用意する


到着後すぐにインターネットを使えるようにしておくと、地図、役所の予約、銀行、交通機関などの確認がかなり楽になります。
私は最初にAldi Talkを使い、その後Congstarへ乗り換えました。私の生活圏では乗り換え後の使い勝手に満足しています。ただし、料金プランや通信状況は時期や地域によって変わるため、これはあくまで私の経験です。
4. 健康保険を確認する
ドイツで暮らすうえで健康保険は非常に重要です。就労や滞在許可の手続きでも、適切な健康保険の証明が必要になることがあります。
会社員の場合、公的健康保険(GKV)の一般保険料率は2026年時点で14.6%で、これに各保険者の追加保険料が加わります。2026年の平均追加保険料率は2.9%、保険料算定上限は月5,812.50ユーロです。
また、「公的保険か私的保険か」は単純に好みだけで決められるものではありません。雇用形態や所得などによって条件が異なります。2026年の被用者に対する年間所得基準(Jahresarbeitsentgeltgrenze)は77,400ユーロです。
制度や金額は毎年変わる可能性があるので、加入時にはドイツ連邦保健省や各保険者の最新情報を確認してください。
5. 税識別番号(Steuer-ID)を確認する
ドイツで働くときに必要になるのが税識別番号(Steueridentifikationsnummer / Steuer-ID)です。住所登録後は、郵送される書類を見落とさないようにしておきましょう。
届かない場合や番号が分からない場合は、連邦中央税務庁(BZSt)などの公式案内を確認して対応できます。
滞在許可は「自分の滞在目的」で確認する


「ドイツ移住」といっても、就職、留学、家族との同居など目的によって必要な滞在許可は違います。そのため、全員に同じ「就労ビザの必要書類リスト」を当てはめることはできません。
日本国籍の場合、ドイツへビザなしで入国し、ドイツ国内で目的に合った滞在許可を申請できるケースがあります。ただし、ビザなしで入国できることと、そのまま就労できることは別です。就労を始める前に、就労が認められた適切な滞在許可が必要です。
「日本人だから全員同じ手続き」と考えず、渡航前に自分の滞在目的に該当する条件を確認しておくことをおすすめします。



私が手続きをしたときは、外国人局から返事が来るまで半月ほど待ちました。すぐに返信が来るとは限らないので、必要な手続きは余裕を持って動く方が安心です。
移住して分かった「役所手続き」で大切なこと


私自身の経験では、日本と同じ感覚で「問い合わせればすぐ返事が来る」と思っていると戸惑うことがありました。
特に外国人局などは混雑状況によって時間がかかることがあります。私は半月ほど返信を待った経験があるので、期限のある手続きほど早めに公式サイトを確認し、予約や問い合わせを始めるようにしています。
一方で、私の住所登録では会社の人に同行してもらえたことでかなり助かりました。ドイツ語や手続きに不安があるなら、勤務先やドイツ語が分かる知人など、頼れる人がいるか確認しておくのも一つの方法です。
ドイツ移住の手続きチェックリスト
| タイミング | 確認すること |
|---|---|
| 渡航前 | 滞在目的に応じた必要書類を確認する |
| 渡航前 | 日本の携帯電話・各種契約を確認する |
| 渡航前 | 当面使える支払い手段を準備する |
| 入居後 | 住所登録(Anmeldung)を行う |
| 生活開始時 | 銀行口座・SIMなど生活環境を整える |
| 生活開始時 | 自分の状況に合った健康保険を確認する |
| 住所登録後 | Steuer-IDなど届く郵便物を確認する |
| 滞在・就労前 | 自分の目的に合った滞在許可の条件を確認する |
よくある質問
ドイツの住所登録はいつまでに必要?
原則として、新しい住居へ入居してから2週間以内です。「ドイツへ入国してから2週間」とは限りません。必要書類や予約方法は居住地の自治体で確認してください。
日本人はビザなしでドイツへ移住できる?
日本国籍者は、一定の条件のもとでビザなしでドイツへ入国し、現地で滞在許可を申請できる場合があります。ただし、就労目的の場合でも、実際に働き始める前には就労が認められる滞在許可が必要です。
まとめ|移住手続きは「順番」と「自分の条件の確認」が大切


2021年に私がドイツへ移住したときは、分からないことばかりでした。住所登録には会社の人に同行してもらい、外国人局からの返信を待ち、日本の携帯を解約し忘れる失敗もしました。
今振り返ると、すべてを完璧に覚えてから移住する必要はなかったと思います。ただ、自分の滞在目的では何が必要なのかを確認し、期限のある手続きから早めに動くことは大切です。


周囲に反対されたコロナ禍での移住でしたが、自分で決めてドイツへ来たことを私は後悔していません。この記事が、これからドイツで生活を始める人の準備に少しでも役立てばうれしいです。


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